12月14日(木) 第37回講義は、東京大学名誉教授であり医学博士の大井玄さんに、「看取り(*1)｣について、教えていただきます。
　内科医である大井先生は、若い頃すべての病は進んだ技術で治せるという楽観的な見方を持っていらっしゃいました。1980年代に「生老病死」(*2) が一緒になっている闘病生活を目の当たりにし、当然だと思っていた医療の効率より、病や障害と共に生き、涙を流しながら笑ったり歌ったりすることがいかに大切かを痛感されました。人間として迎えるべき往生の意義について、在宅看取りをされる中から、脳科学の知見、哲学的考察を通して、30年以上終末期医療に取り組みつづけられています。
　「終末の質」から「生の意味」を問われる大井先生から、「次世代を担う子ども達に残す本物の看取り」について共に学びましょう。

*1 看取りとは、「病人のそばにいて世話をする」、「死期まで見守る」、「看病する」という患者を介護する行為のこと。最近では、人生の最期（臨死期）における看取りを持って、単に「看取り」と言い表すことが多いが、大井先生が行われているのは前者の看取り。

*2 生老病死とは、仏教用語で人としてまぬがれる事のできない4つの苦しみ、「生まれること」
「年を取ること」「病気をすること」「死ぬこと」


マーキュリーアカデミー 第37回講義 『 本物の「看取り」を知る!! 』

■ 日時:
2017年12月14日(木) 19:00～21:30 (18時45分開場)

19:00～19:10 校長挨拶
19:10～21:00 講義


■ テーマ:
本物の｢看取り｣を知る!!

『 - 次世代が死に向き合えるように - 』

講師: 大井 玄
東京大学名誉教授 医学博士

本物の「看取り｣に関して…
・終末期医療とは？
・地域医療について
・生、死の意味とは？
・病気の捉え方について
・大往生とは？
・苦痛のない平穏な看取りとは？
・看取りを継承するとは？
・看取りと家族について
・これからの看取りについて
・幸せな死を迎えるために


などを知る!!

◆ 講師プロフィール
大井 玄 (おおい げん)

◼︎ 東京大学名誉教授 医学博士

1935年 京都生まれ。
1963年東京大学医学部卒業。
1965～1971年 ペンシルバニア大学グラジュエート病院内科助講師。
1977年 ハーバード大学公衆衛生大学院修了。
1979年〜 長野県佐久市の「認知症老人・寝たきり老人」の宅診に関わる。
1989～1996年 東京大学 医学部 保健学科 成人保健学 教授。
1996～2004年 国立環境研究所 所長を経て参与、東京大学医学部 助教授。
専門は社会医学、一般内科、在宅医療、心療内科、環境医学。
現在はNGOの依頼でカンボジア保健園児の健康診断など、臨床医の立場を維持しながら国際保健、地域医療、終末期医療に関わっている。



●著書一覧
https://goo.gl/Hh1VFn